年末調整 扶養控除 書き方ガイド

扶養控除等申告書の書き方|令和8年分の記入欄と
確認ポイント

公開日:2026年7月1日 | 読了時間:約12分 | 給与計算ツール編集部
扶養控除等申告書の提出前に家族と所得を確認するイメージ
扶養控除等申告書は、家族構成、所得見積額、障害者・ひとり親などの該当有無を整理してから記入すると間違いを減らせます。

まず結論:書く前に確認する3つのこと

扶養控除等申告書は、本人情報を書くだけの書類ではありません。扶養に入れる家族がいる場合は、「誰を」「どの控除区分で」「いくらの所得見積額として」申告するかを確認します。

1. 主たる給与の勤務先か

扶養控除等申告書は、原則として主たる給与を受ける勤務先に提出します。複数勤務先がある場合は二重提出に注意します。

2. 家族の年齢と続柄

配偶者、子、親などの続柄と年齢で、控除対象扶養親族、老人扶養親族、16歳未満の扶養親族などの扱いが変わります。

3. 合計所得金額の見積額

給与収入そのものではなく、給与所得控除後の所得や他の所得を合わせた見積額で判定します。

このページの使い方:国税庁の様式や勤務先の案内を確認しながら、各欄に何を書くか、どこで迷いやすいかを整理するためのガイドです。個別の適用可否は勤務先や税理士、税務署にも確認してください。

扶養控除等申告書とは何か

扶養控除等申告書は、給与から源泉徴収する所得税を計算するときに、本人の扶養親族や障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生などの状況を勤務先へ申告する書類です。正式には「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と呼ばれます。

この申告書を提出している勤務先では、毎月の源泉徴収税額を「甲欄」で計算します。提出していない勤務先では、原則として「乙欄」で源泉徴収されるため、税額や年末調整の扱いが変わります。

確認項目 見るポイント 迷いやすい点
提出先 主たる給与を受ける勤務先 副業先や短期アルバイト先に同じ申告書を出してよいとは限りません。
提出時期 その年の最初の給与を受ける前日までが基本 実務上は年末調整時に翌年分を回収する会社もあります。
異動があった場合 結婚、出産、扶養から外れた、所得見積額が変わったなど 提出後でも状況が変わったら勤務先に連絡します。

年末調整で使う所得金額そのものを確認したい場合は、先に 年末調整 所得金額計算ツール で本人や家族の所得見積額を整理しておくと、申告書の転記ミスを減らせます。

欄ごとの書き方と確認ポイント

実際の様式は年度によって細部が変わるため、勤務先から配布された年度の申告書を基準にしてください。ここでは、主要欄の意味と確認順を整理します。

書く内容 確認ポイント
本人情報 氏名、住所、生年月日、世帯主、続柄など 住民票住所と現住所、世帯主との続柄、マイナンバーの提出方法は勤務先の指示に従います。
源泉控除対象配偶者 配偶者の氏名、個人番号、所得見積額など 本人の所得要件と配偶者の所得要件を両方確認します。配偶者控除・配偶者特別控除申告書と混同しないようにします。
控除対象扶養親族 16歳以上の扶養親族の氏名、続柄、生年月日、所得見積額など 年齢、同一生計、所得見積額、他の人の扶養に入っていないかを確認します。
障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生 該当する区分と対象者 本人が該当する場合と、同一生計配偶者・扶養親族が該当する場合で記入内容が変わります。
16歳未満の扶養親族 住民税に関する事項として対象者を記入 所得税の扶養控除対象ではありませんが、住民税の判定で必要になることがあります。
令和7年分以降の注意:基礎控除や給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の創設などにより、年末調整で確認する所得要件が変わっています。申告書の年度と勤務先の案内を必ず合わせて確認してください。

扶養親族の所得見積額の考え方

扶養控除等申告書で特に間違いやすいのが、家族の「所得の見積額」です。給与だけの家族であっても、アルバイト代などの給与収入をそのまま書くのではなく、給与所得控除後の所得を確認します。

扶養親族の年齢と所得見積額を確認するチェックリストのイメージ
家族の所得見積額は、給与収入、年金、事業所得などを分けて確認します。画像は説明用の抽象イメージです。

給与だけの家族

アルバイトやパートの給与収入から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得です。扶養控除や配偶者控除では、給与収入ではなく所得金額で見る点が重要です。

本人や家族の給与所得の目安は 給与所得計算ツール でも確認できます。

給与以外の所得がある家族

年金、事業、不動産、雑所得などがある場合は、それぞれの所得を合算して合計所得金額を見積もります。収入と必要経費の扱いが給与と違うため、迷う場合は勤務先や税理士に確認します。

年末調整全体の所得区分は 所得控除後の金額の解説 も参考になります。

よくあるケース別の書き方

本人の合計所得金額と配偶者の合計所得金額を確認し、源泉控除対象配偶者に該当するかを判断します。配偶者控除や配偶者特別控除の年末調整申告は別書類で行う場合があるため、勤務先の提出書類一式を確認してください。

子どもの年齢、年間の給与収入見込額、給与所得控除後の所得見積額を確認します。19歳以上23歳未満の親族については、扶養控除だけでなく特定親族特別控除の対象範囲も確認が必要です。

16歳未満の扶養親族は所得税の扶養控除対象ではありませんが、住民税に関する事項として記入する欄があります。子どもの氏名、続柄、生年月日、住所などを様式に沿って確認します。

親の合計所得金額、同一生計かどうか、同居老親等に該当するかを確認します。年金収入がある場合は、公的年金等控除後の所得を見積もる必要があります。

提出前チェックリスト

  • 提出先が主たる給与の勤務先になっているか
  • 氏名、住所、生年月日、世帯主との続柄に誤りがないか
  • 扶養親族の年齢区分を、対象年の12月31日時点で確認したか
  • 扶養親族や配偶者の所得見積額を、収入ではなく所得で確認したか
  • 同じ家族を別の人の扶養にも入れていないか
  • 16歳未満の扶養親族を該当欄に記入しているか
  • 障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生に該当する場合、証明書類や勤務先の案内を確認したか
  • 年の途中で家族構成や所得見込が変わった場合、勤務先へ異動申告する必要がないか

よくある質問

扶養控除等申告書は毎年提出しますか?

はい。対象年ごとに提出します。会社によっては、年末調整の時期に翌年分の扶養控除等申告書を回収する運用があります。

扶養親族の所得見積額が後から変わったらどうしますか?

アルバイト収入が増えた、年金や事業所得が変わったなど、見積額が大きく変わる場合は勤務先に連絡します。年末調整前であれば修正、年末調整後であれば確定申告が必要になることがあります。

源泉徴収票の扶養人数と関係しますか?

関係します。扶養控除等申告書で申告した内容は、年末調整後の 源泉徴収票の見方 で確認する扶養親族欄や所得控除額にも影響します。

扶養控除等申告書だけで配偶者控除は完了しますか?

配偶者控除や配偶者特別控除の適用には、年末調整時に別の申告書や追加情報が必要になることがあります。勤務先から配布される年末調整書類の案内に沿って確認してください。

参考資料

様式や制度の詳細は、必ず最新の公式資料も確認してください。

次に確認するページ

扶養控除等申告書を書く前後で、所得見積額や源泉徴収票の欄も合わせて確認しておくと整理しやすくなります。