給与計算実務 計算方法 令和8年度

社会保険料の計算方法|健康保険・厚生年金・雇用保険を詳しく解説

更新日:2026年8月22日

社会保険料の計算方法は、給与に一つの料率を掛けるだけではありません。健康保険・介護保険・厚生年金は標準報酬月額や標準賞与額を使い、雇用保険は原則として対象となる賃金を使います。この記事では、給与明細の控除額を確認したい人事担当者や、手取りの内訳を知りたい方に向けて、計算の順番と注意点をまとめます。

給与明細と計算機、保険を表す盾を並べた社会保険料の計算イメージ
社会保険料は、給与・賞与の基準額と加入先の料率を分けて確認します。

先に結論:計算の基本式

毎月の本人負担額は、健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険をそれぞれ計算して合計します。概念的には、次の順番です。

  1. 標準報酬月額または対象賃金を確認する
  2. 加入先・年齢・事業区分に合う料率を確認する
  3. 本人負担分と会社負担分を分け、端数処理を確認する

1. 計算前に知っておきたい3つの基準

「社会保険料 計算方法」で迷いやすい原因は、保険ごとに基準となる金額が違うことです。まず給与明細の総支給額、標準報酬月額、標準賞与額を分けて考えます。

基準意味主に使う場面
総支給額・対象賃金その月に支給される給与や雇用保険の対象となる賃金雇用保険、手取り確認
標準報酬月額毎月の報酬を等級に当てはめた社会保険上の基準額健康保険、介護保険、厚生年金
標準賞与額賞与から一定の端数処理をした社会保険上の基準額賞与の健康保険、厚生年金など

標準報酬月額は、実際の手取り額や単月の振込額と同じではありません。固定給の変更、算定基礎届、随時改定などで見直されるため、給与計算では等級表と届出内容を確認します。

2. 健康保険・介護保険・厚生年金の計算式

健康保険、介護保険、厚生年金は、原則として標準報酬月額に各保険料率を掛けて計算します。健康保険料率は加入先や都道府県、介護保険料は年齢区分、厚生年金は制度上の料率を確認します。

給与から基準額、料率表、本人と会社の負担へ進む社会保険料計算の流れ
実務では、給与額をそのまま計算に使う保険と、標準報酬の等級を使う保険を分けます。
項目基本式の考え方確認ポイント
健康保険標準報酬月額 × 健康保険料率協会けんぽの都道府県別料率、健康保険組合の料率
介護保険対象者の標準報酬月額 × 介護保険料率原則40歳から64歳までが対象
厚生年金標準報酬月額 × 厚生年金保険料率本人負担と会社負担、等級表、上限額

実際の保険料は、計算結果をそのまま円未満まで表示するとは限りません。給与からの控除時期や端数処理は、加入制度と会社の給与規程を確認してください。最新の表は協会けんぽの令和8年度保険料額表、年金部分は日本年金機構の厚生年金保険料額表で確認できます。

3. 雇用保険は対象賃金で計算する

雇用保険料は、健康保険や厚生年金のように標準報酬月額の等級を使うのではなく、原則として雇用保険の対象となる賃金に労働者負担率または事業主負担率を掛けます。毎月の給与だけでなく、賞与や現金で支払う賃金が対象になるかも確認が必要です。

雇用保険料の考え方

雇用保険料 = 対象賃金 × 事業区分に応じた料率

一般の事業、農林水産・清酒製造の事業、建設の事業で料率が異なります。令和8年度の料率は、厚生労働省の雇用保険料率の案内を確認してください。

給与計算では、社会保険料の計算結果と雇用保険料の計算結果を別々に管理すると、給与明細との照合がしやすくなります。詳細な数値をすぐ確認したい場合は、雇用保険料計算ツールも利用できます。

4. 賞与にかかる社会保険料

賞与にも健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険がかかります。ただし、月給と賞与では使う基準額が異なります。健康保険・厚生年金では、賞与額から社会保険上の端数処理をした標準賞与額を使い、雇用保険は対象賃金として扱います。

月給と賞与で社会保険料の計算基準を分けて考える比較図
月給は標準報酬月額、賞与は標準賞与額を中心に確認するのが基本です。
  1. 賞与の支給額と支給月を確認する
  2. 健康保険・介護保険・厚生年金の標準賞与額を確認する
  3. 雇用保険の対象賃金と事業区分別料率を確認する
  4. 本人負担分を控除し、会社負担分と分けて記録する

賞与の手取りを先に知りたい場合は、賞与手取り計算ツールで概算できます。実際の届出や控除額は、加入先のルールと最新の公式資料で検算してください。

5. 本人負担と会社負担の違い

給与明細に表示される社会保険料は、通常は本人負担分です。一方、会社は本人負担分とは別に会社負担分を納めます。健康保険・介護保険・厚生年金は原則として労使折半ですが、雇用保険は労働者と事業主で負担率が異なります。

確認したい金額見る場所注意点
本人負担給与明細の控除欄年齢・加入先・支給月・端数処理を確認
会社負担会社の労務・給与記録人件費見積もりでは本人負担と合算して考える
労使合計納付額や会社負担一覧雇用保険は労使で率が違うため別計算

月給・賞与・年齢を入力して本人負担と会社負担をまとめて確認したい場合は、社会保険料計算ツールを使えます。ツールの初期値は目安なので、加入先の料率へ調整してご利用ください。

6. 令和8年度の料率を確認するときの注意

令和8年度は、健康保険料率の都道府県差に加え、介護保険の対象年齢、厚生年金の等級、雇用保険の事業区分を確認する必要があります。また、子ども・子育て支援金のように給与計算へ影響する制度変更もあるため、前年の料率をそのまま使わないことが大切です。

  • 健康保険:協会けんぽの都道府県別保険料額表、または健康保険組合の最新資料
  • 厚生年金:日本年金機構の標準報酬月額・保険料額表
  • 雇用保険:厚生労働省の年度別雇用保険料率
  • 制度変更:対象月、給与からの控除開始月、事業主と本人の負担区分

ここで紹介する式は考え方を理解するためのものです。正式な納付額や届出の判断では、必ず最新の公的資料と会社の給与規程を優先してください。

7. 社会保険料の計算例

たとえば、標準報酬月額を30万円と仮定し、説明用に健康保険・介護保険・厚生年金の合計本人負担率を15%、雇用保険の本人負担率を0.5%とします。この場合、社会保険等の本人負担の目安は次のように計算します。

健康保険・介護保険・厚生年金:300,000円 × 15% = 45,000円

雇用保険:対象賃金300,000円 × 0.5% = 1,500円

本人負担の合計目安:45,000円 + 1,500円 = 46,500円

これは説明用に料率を仮定した例であり、実際の控除額ではありません。健康保険の加入先、介護保険の対象年齢、標準報酬月額の等級、雇用保険の事業区分、端数処理によって結果は変わります。

よくある計算ミス

  • 総支給額をそのまま健康保険・厚生年金の基準額にしてしまう
  • 40歳から64歳の介護保険料を計算から外す
  • 賞与を月給と同じ方法で計算する
  • 前年の料率や別の都道府県の料率を使う
  • 本人負担と会社負担を合算した金額を給与控除額と誤認する

8. 社会保険料の計算方法に関するFAQ

健康保険・介護保険・厚生年金は標準報酬月額や標準賞与額を基準にします。雇用保険は原則として対象賃金を基準にするため、保険ごとに分けて計算してください。

健康保険、介護保険、厚生年金は原則として折半ですが、雇用保険は労使で負担率が異なります。加入先と年度の料率表で確認しましょう。

賞与にもかかります。月給と同じ基準額ではなく、標準賞与額と雇用保険の対象賃金をそれぞれ確認して計算します。

全国共通ではありません。健康保険の加入先、都道府県、介護保険の対象年齢、雇用保険の事業区分などで変わるため、最新の公式表を確認してください。

まとめ

社会保険料の計算方法を正しく理解するには、給与の総支給額、標準報酬月額、標準賞与額を分けることが第一歩です。健康保険・介護保険・厚生年金と雇用保険を別々に計算し、本人負担と会社負担、令和8年度の料率、端数処理まで確認すると、給与明細や人件費の検算がしやすくなります。

すぐに金額を確認したい方へ:月給・賞与・年齢・料率を入力して概算する場合は、社会保険料計算ツールをご利用ください。

参考にした公的情報

社会保険料 計算方法 標準報酬月額 給与計算実務

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